あるねぶのFamily Medicine留学メモ

留学で見たものをまとめました。ただのメモなので、読みにくく申し訳ありません。

第三週月曜(4月15日)

・米国の格差
米国における経済的格差は、事前サンフランシスコ旅行でも実感するところではあったが、保険格差や健康意識の格差もあるのだろうなと感じることが実習をしていて蓄積してきた。
とくに健康意識格差については面白いと思っていて、BMI40とか50とかの肥満の患者さんがごろごろいる一方で、大抵のアメリカの町では公園などが十分すぎるほど整備されており、そこでジョギングやランニングに勤しむ人も少なくない。
確かどこかで一度肥満と貧困が関連すると聞いたことがあるような気がするが、、、
 
・レジデントのローテ
今日ローテ調整担当のスタッフさんのカレンダーを見る機会があった。
Family medicineのレジデントは、Family medicine center(外来)/pediastric/ICUを、2週を1コマとする単位で何単位かずつローテしている模様。またERでの勤務もやってそう。
 
・米国のOSCE
米国のOSCEは、国単位で行われるものは3年生の間に受験して受からないといけない。
ヒューストンやシカゴなどの開催地に、全米から医学生が集まる。
1回落ちれば留年というわけではないが、別の時期のやつを受けないといけないらしい(3回落ちると一周?)
医学生は患者20人を一人につき15分診察する。日本のような、外科手技やBLSなどの手技はなく、問診/身体診察/鑑別/検査オーダーのみ。
鑑別診断をあげない(診断を1つに決めきってしまう)ことや、患者さんに失礼なことをしない限りは落ちない。
性器出血や、がん告知など、さまざまな主訴の患者さんが来て、どういう人が来るかはその時になるまでわからない。
 
またこれに対応して、各大学内でも独自にOSCEを対策として行っている場合がある。
OU-TU School of Commuity Medicineの場合は、各科のローテーションの終了前に必ずOSCEが行われる。外科ですらも行われる(主訴: 右下腹部痛など)
 
・shingles
米国では、50歳時に帯状疱疹の予防接種が推奨されており、Medicare Wellness Questionにも接種有無を記入する欄があった(他はインフルエンザと肺炎球菌)
 
・障害者のメディケア
身体的・精神的問題がある場合、65歳以下でも自分で申請すればメディケアを受給できる場合がある。
65歳以下のメディケア受給者はそれほど多くないが、原因は身体/精神とも様々。
需給に際しては対象となるような疾患の一例みたいなのがあるらしいけど、探しても見つからなかった。
 
・聴診器で打腱
なんと、聴診器のダイアフラムの飛び出てるところを打腱器代わりに打診するという荒業を見た。そんなんあり?
 
運動療法の適応
例えば背部痛でも、筋骨格系に由来してそうな痛みは、割とすぐに「動いたらよくなるから!!!!」的なニュアンスで運動療法を勧めている印象がある。
ただ、基本的には直腸膀胱障害や下肢の麻痺の有無などの神経学的徴候を除外した上で推奨している。
また、そういった筋骨格系の背部痛はかなり高頻度で肥満に関連しているので、減量も兼ねた提言なのかもしれない。
 
・タルサと花粉
何でか知らないけど、タルサは全米でトップクラスに花粉が多い町らしい。(というかオクラホマが全般に多い)
今週末にかけてがが特にひどく、今日の統計見たけど、他の都市をぶっちぎってた。
seasonal allergyや、それに伴う後鼻漏や結膜炎やの患者さんが確かによく来る印象。
ただそれにしてもあまりに色んな症状に対してアレルギー性鼻炎と診断しすぎな気がした。

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・Allergic salute / nasal crease
おもにアレルギー鼻炎の際に鼻汁がひどい時、(半無意識的に)手を使って鼻を上向きに擦る行為のこと。
慢性的な鼻炎が続きこれを繰り返している場合、鼻の中央に線ができる。これは一時的な場合もあれば、特に成人患者においては萎縮性に瘢痕のようになる場合もあり、また高色素性のことも低色素性のこともある。
JAMAの1960年の論文が引っ掛かったけど、閲覧できず。 JAMA. 1960;174(9):1204-1206.

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・子供の年齢ごとの電子カルテフォーマット
子供には各年代ごと/性別ごとに電子カルテのフォーマットがあり、予防接種などで受診したときに合わせその内容を確認・記入するするようにしている。
たとえば11-14歳男児の場合は、運動や栄養、学校生活や心理状態等に関する質問がある。
"Drink alcohol?"や"Smoke?"などの質問があり驚いた。
また性に関する質問が多くある。"Wet dream?" "Have you started having sex?"など。
当然必要に応じて親を退席させるかどうかなど、親子関係への配慮は必要。
 
 
・GaPbcde
 G=gravid P=para (pregnancyやとずっと勘違いしてた)
 a:妊娠回数
 b:総出産回数 (=c+e)
 c:早期産の回数
 d:流産の回数
 e:生存している子供の数
 
ex.G3P2112
3回妊娠→1回は流産、2回出産のうち1回は早期産で、2人とも存命中