あるねぶのFamily Medicine留学メモ

留学で見たものをまとめました。ただのメモなので、読みにくく申し訳ありません。

第四週木曜(4月25日)

・今日のabbreviations
(例によってわからなかったやつは太字です)
LOC: level of consciousness
STSG: split thickness skin graft
WBR: whole brain radiation
WNL: within normal limits
obs: observation (admitted to obs)
MT: metatarsal (resection of 5th MT)
LA: (WBC 14 and LA 3 - SIRS + but unclear source.)
N/V: nausea and vomitting
BM: (Has occasional BM, had episode of dark bloody stool.)
elp: electrophoresis
 
・RD
米国においては登録栄養士(Registered Dietitian)を指す言葉で、業務内容としては日本の管理栄養士に該当する。
 
・c section
帝王切開を家庭医チームが行っていた。普通にOB/GYNが担当することもあり、この病院でも全例を担当しているわけではないようだが。
おそらく帝王切開後妊娠など、比較的状況が複雑ではない症例を担当するのだと思われる。
家庭医みんなが帝王切開をする/できるわけではなく、むしろ嫌がる人もいるみたいなことを指導医は言っていた。
もしかすると勘違いかもしれないが、おそらく卵管を結紮/切除していた。帝王切開2回目なので、避妊を兼ねていたのかもしれない。
ちなみにカナダでもFamily DoctorがOBをする、とのこと。
 
なお、オペ室(といってもc secction専用の部屋だが)の様子は日本のものとそれほど大きくは変わらなかった。
術後のガーゼなどの残存の確認には、レントゲンではなく輪っかの形をした金属探知機のようなものをかざしていた。
Situate™ Detection System という製品らしく、おそらく専用の標識ガーゼを用いることで検出感度を高くしている。

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帝王切開終了後に、担当スタッフ全員がそのばでメッセージを書いたカードを渡していたのが素敵だった。
 
・ED/ER
一瞬だけ救急室に入る機会があった。
救急室は日本のように、広いスペースにベッドを並べカーテン等簡単なパーテーションを作ったものではなく、日本でいうところの観察室のような、ガラスで外から確認しやすい個室が31室ならんでいる形であった。
救急対応しにくくないのだろうかとちょっと心配になったのだが、実際のそのシーンを見る機会はなかったので、どのような動線になっているのかはわからない。
ただ、日本のような形の救急室もあるようなので、どのような形なのかは病院によるのだと思う。
 
・患者の急変
患者の急変(バイタル異常など)は、担当医に連絡が行くのではなく、チーム全体の待機室に放送がかかる形らしい。
というかそもそもこちらの医者はPHSを持っておらず、ポケットベルのような端末や自分のスマホで連絡をとっている。
 
・Marinol
合成マリファナを含む薬。米国では、食欲不振の治療薬として用いられる。
 
・破水診断
Hillcrestでは破水時の母体/胎児管理も家庭医がやっちゃう
よく混同してしまうのだが、前期破水と早期破水はべつもの。
前期破水(premature/prelabor rupture of membrane: PROM)は陣痛の開始前に破水することを指し、破水から陣痛まで6-12時間以上かかる場合には感染リスクが高まる。
早期破水は、分娩中ではあるものの、子宮口が全開大しないうちに破水することを指す。調べたけど該当する英語表現がわからなかった。
 
破水診断は偽陽性/偽陰性を避けるため複数の検査を組み合わせる。
Hillcretでは、検鏡/ニトラジン検査/視触診が組み合わされていた。
検鏡: 膣内貯留液を採取し乾燥させると、羊水中の高濃度のNaClが析出し、シダ状結晶が見られる(ferning)。偽陽性が多い。

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ニトラジン: pH指示薬のニトロジンによる検査で、羊水が混ざるとアルカリ性になるため青変する。
 
・薬の名前
米国と日本で薬の名前が違うことはしょっちゅうある。今日少し指導医との間で話題になった。
ワーファリンのことはアメリカではCoumadinっていうし、アセトアミノフェンカロナールではなくTylenolである。
あとは同じ名前でも当然ながら発音が英語になるので気付かないことがある。初めはしばらく「レーシックス」と聞いても、なんでここで眼科の話???となるだけで、まさかラシックスのことだとは思えなかった。
Levaquin(レボフロキサシン)も絶妙にわからない。
 
・ヒドロコドン/アセトアミノフェン
もっとも乱用されているオピオイドで、商品名がたくさんあって病院でもいろいろな名前を見かけてややこしい。
世界消費量の99%が米国だと言われるだけあり、それだけ市場が大きくたくさんの企業が参入しているということだろう。
最も有名なのはDr.HOUSEでお馴染みのバイコデイン(vicodin)だが、他にもNorco、Hyset、Lorcet、Lortab、Xodolなど様々なものが見られる。