あるねぶのFamily Medicine留学メモ

留学で見たものをまとめました。ただのメモなので、読みにくく申し訳ありません。

第二週木曜(4月11日)

・4年生の生活
他の医大ではその限りではないが、OUでは1ヵ月の小児科の実習がある以外はすべて自由である。
OU関連の施設だけではなく、自分でapplyした他の施設での実習も可能。
また10週間の休みがあり、STEP2の勉強に当てる人もいれば、旅行をする人もいる。
 
・protonix
パントプラゾール。日本未承認のPPI
ネキシウム(エソメプラゾール)程は認知症リスクは高くなさそう。
 
・Project ECHO
健康格差を是正することと、医者の生涯教育をめざすプログラム。
ECHO: Extension for Community Health Outcomes を目的とする。
HIV/HCV/慢性疼痛/内分泌疾患/行動障害など複雑な病態に対応するプライマリケア医に対して、適切な情報共有を行う。
全米規模なのかどうかはわからないが、少なくともオクラホマ州だけのものではないようだ。
オクラホマ州ではオクラホマ大学ではなくオクラホマ州立大学が中心となって運営している模様。
 
・TeleECHO clinic
Project ECHOの目玉で、6ヵ月くらい前から始まったばかりのシステム?
アメリカは広く、また各地にspecialistが充足しているわけではないので、特定の病気に関して各診療所のプライマリケア医と専門医、薬剤師のビデオカンファレンスをweb経由で行い診療のクオリティを担保する(="virtual clinic")と同時に、医者の教育も兼ねる。
TeleECHOは、psychiatry/HIV/HCV/薬物中毒などに対して行われている模様。
 
C型肝炎の場合は、まず患者に関する情報収集を行う(Hepatitis C pre-treatmebt Questionarrie)。
含まれるのは、飲酒/喫煙/ドラッグ歴、治療歴、既往/併存症、PHQ-9のスコア、検査値(血算、AST/ALT、アルブミンビリルビン、eGFR、INR、HAV/HBV/HCV/HIVの各種抗体価 など)、肝硬変に関する種々のスコア(Meld/Child-pugh/fibroscanなど)、その他検査(腹部CT/エコー、上部内視鏡、生検など)
 
ビデオカンファレンスでは、この情報がフォームに記入されて共有された状態で行われる。
 
一回のカンファレンスで複数の患者さんが扱われる。
複数の診療所が参加しており、順番にプレゼンしていく形式。
 
・鼓膜穿孔
AOM(Acute Oitis Media: 急性中耳炎)に伴い生じうる。
感染によるというよりは、滲出物が貯留し中耳圧が上昇するため。
 
・鎌状赤血球症による血尿
無痛性の血尿は鎌状赤血球症のcommon symptomである。
 
・colposcopy

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こんな感じのディスポーザブルの器具が診察室に大量においてあり、下から光源を差し込んで使用する。
クスコのようにして膣を開き観察、病変だと思われる方向(4 o'clockなど)をpunchしたあと、子宮頚管掻爬(ECC: Endocevical curettage)を行う。
 
・Monsel's Solution Ferric Subsulfate

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硫酸第二鉄溶液=モンセル液。
皮膚生検後に利用する止血剤で、コルポスコピーにおいても利用していた。
医者が「マスタードみたいな」と説明していたのが面白かった。
一部のモンセル液は製造環境に衛生上の問題があるため、2018年以降使用しないようFDAが推奨しているらしい。
 
・米国のCOPD事情
アメリカでは、呼吸機能検査を行わず、「タバコを吸っている」+「胸部単純レントゲン」だけで診断されてしまうことが多く、誤診も多い。
 
・MyFitnessPal
アプリ。医者が肥満の患者さんにおすすめしていた。
1日の接種栄養を微量元素も含めて管理することができる。
 
・TIPS
Transjugular Intrahepatic Portosystemic Shunt: 経経静脈的肝内門脈体循環短絡術
日本では保険未承認。
肝硬変などの肝移植待機中に、門脈圧亢進を緩和する目的で行われる。

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・EDUCARE
おそらくはタルサの事前事業家により設立された、低収入世帯の子供に対する教育/支援プログラムであろう。
保険のようなものかと思ったが、小学校なども所有している模様。
加入前に子供に対する簡単なスクリーニングがある。
Bedlamにしても、タルサは相当医療的には恵まれているのではないだろうか。恐るべしオイルマネー