あるねぶのFamily Medicine留学メモ

留学で見たものをまとめました。ただのメモなので、読みにくく申し訳ありません。

第三週木曜(4月18日)

・Sports Clinicの様子
Family Medicine Centerの2階にある(1階は昨日まで実習してたFamily Medicine Clinic)。
診察室の様子はFamily Medicine Clinicと変わらない。医者は1人、ナースが3人、診療補助員1人の体制か。
診察室はざっと見た感じ10以上ありそうだったけど、全然使ってない。
同フロア内にレントゲン撮影室があるため、撮影のハードルは低い(おそらく看護師さんが撮ってる)
 
・Sports Clinicの患者層
f:id:aleporis27:20190419080954j:plain
Sportsというのだからスポーツ選手を見るのかなと思っていたが、全然そんなことはなく普通の患者さんばかりである。
パンフレットには「アスリートでなくても診ます」「筋骨格系の症状のある方なら"weekend warrior"から"industrial athlete"まで、どなたでも診ます」と書かれていた。
患者さんは1日20人弱。みんな筋骨格系の問題や慢性疼痛などの患者さんである。
脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、OAが多かった。
Family Medicine Clinicよりは当然患者の年齢層は高めで、子供はスポーツ中のケガとかでない限りほとんど来ない。
あとなぜか患者さんは9割ほどが女性だったのだが、それは今日たまたまだとのこと。
 
・Sports Medicineの制度上の立ち位置
Sports Medicineはレジデントシーとしては認められておらず、出身の先生方は内科や家庭医療などの様子。
フェローシップとしてはSports Medicineが存在している。
アメリカ家庭医療学会では、救急学会、内科学会、小児学会、リハビリ学会と共同して、Sports Medicineのドクターの認定制度を運営している。
いわゆるサブスペシャリティ的な立ち位置みたい。
 
・Family Medicineとの関係
Sports Clinicは、原則患者をfirstでみることはなく、家庭医や救急医からのコンサルを受ける形である。
特に、筋骨格系の問題だが手術適応ではなさそうな場合、にコンサルトが回ってくることが多いらしい。
Family Medicine CenterにSports Clinicが設けられているのも、プライマリケアにおける患者の約30%が筋骨格系の問題である、といわれることに由来する。
ただし全米でもこのようにFamily MedicineとSports Medicineの専門家がそれぞれ在籍し同施設内で診療を行っているというケースはそれほど多くなく、これはそもそもSports Medicineのフェローシップがまだまだ不足していることに起因する。
Sports Medicineへのコンサルトを受けられないような地域では、同領域は主に整形外科医が担うことが多い。
 
・Sports Clinicとアスリート
Clinicで現役のスポーツ選手を診る、という機会はあまりないが、野球などいくつかのスポーツチームと提携を結んでおり、医者が赴いて選手の診察をするらしい。
 
・Sports Clinic医学生教育
OU-TUでは、Famiy Medicineは必須であるのに対し、Sports Clinicは選択性である。
大体毎年10-15人くらいが回ってくる (1学年は約30人)
 
・Physical Therapyと保険カバー
訊いてみたけどよくわからんかった。
St.Johnなど病院が保険の主体でもある場合は、その病院で行われるphysical therapyがカバーされている場合が多い。
Sooner Care(オクラホマ州の公的要素が強い保険)でも、病院ベースのphysical therapyがカバーされている。(?)
Tandy YMCA(後日述べる)などのスポーツジムのような形の施設でのphysical therapyは、単純な利用であれば保険に関わらず会員になれば利用可能であるが、専門的なphysical therapyはカバーされておらず、別物として捉えるべき。
 
・関節内注射
トリアムシノロンとブラジキニン????(絶対聞き取り間違い)の混和剤を注射していた。
変形性関節症疑いに対する診断的治療?
膝を曲げてもらい、patellarの下側やや外側から注射する。
ちなみにこちらでは、注射する部位をマーキングするのに、芯を出していない状態のボールペンを押さえつけて跡をつけるのが一般的。
 
・Dragon Medical One
ディクテーションソフトであり、スマホアプリを介してカルテの音声入力を行う。
医療用にアレンジされているため、単語の表示はかなり正確な様子だった。
 
・ナプロキセン
ナプロキセンはこちらでは鎮痛剤としてよく処方されているイメージだが、小児においてもNaprosynがよく利用される。
小児用Naprosynはチュアブルになっていて、オレンジやパイナップルの味がついてるらしい。
 
スマホで打鍵
今日の指導医はスマホで腱反射を見てて笑いそうになってしまった。
こちらの家庭医は打腱器を使ってはいけないという決まりでもあるのか?
使ってるところみたことない。
 
・Sooner Ride
Sooner Careの提供元(Oklahoma Health Care Authority)が実施するサービスで、Sooner Care受給者が該当の医療さーすを受診する際、平日と土曜の7-18時、予約しておけば病院まで車で送ってくれる。救急には対応不可。
また、Sooner Careの承認を受けた医療サービスを受けるのに1泊以上が必要な場合、送迎だけではなく宿泊施設や食事の補助がつく。
 
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
今日でFamily Medicine Centerでの実習は終了です。
明日は1日中大学で座学、来週はFamily Medicine Center以外でのいくつかの施設で実習になります。
とても刺激になる3週間でした!

f:id:aleporis27:20190419081302j:plain